トロピック・サンダー/史上最低の作戦(原題:Tropic Thunder) 観ました。
ハッキリ言って下らないです。 でも、面白い。
ホントにここまでやるか、普通?
ホントに、ここまでやるか、普通?って思わせるぐらい下らないです。 ここまで突き抜けて下らないと、もはやすがすがしささえ感じますね。 お金払って観る価値あります。
ベン・スティラーってすごいですね。新時代のコメディ王かもしれない。 こういった正統派コメディとオフビート・コメディの中庸のバランスを取らせたら、ピカイチですね。 うん、バランス感覚が良い。 「プラトーン」や「地獄の黙示録」への愛情も感じます。
個人的には、ロバート・ダウニー・Jr のネチッこい、ネチっこい黒人キャラの演技がハマってしまいました。
あと、本作への有名俳優のカメオ出演が話題になっていますが、 これ、もはやカメオ出演のレベルじゃないですよ!! エンドロールの時のバックに流れる、カメオ出演の超トップスターのダンスは”気持ち悪さ”は必見です!! 演技自体も、普段のこの俳優へのイメージを破る非常に下品な型破りな演出に、”カメオ出演”でこそ出来る(?)枠に囚われない奔放なスタイルを垣間見ることができますね。
Tags: カメオ出演, コメディ
「Swing Vote」観ました。 面白いです。
大統領選挙の年には、誰もがクレイジーになる
アメリカでは「大統領選挙の年には誰もがクレイジーになる」なんて言ったりするらしいですね。 他の3年間ではあり得ないようなことが平気で起こると、それが選挙の年だと。
Swing Vote っていうのは”浮動票”のことです。 あらすじは、投票日まで接戦を繰り広げた現職共和党候補と民主党候補の運命を握っているのは、投票マシンの誤作動に端を発する紆余曲折により、ケビン・コスナー扮するニュー・メキシコ州の田舎の飲んだくれの超ダメ親父の1票(浮動票)になっちゃうって設定、最高ですね。この皮肉な話を聞くだけでも微笑んじゃうもんね。
ケビン・コスナーって俳優は、屈折したヒーロー観を持ってるんですかね? 「ウォーター・ワールド」とか「ポストマン」とか、後で自分で落ち着いて観たら自殺したくなっちゃうんじゃないかな?ってこっちが心配しちゃうような迷作に出てますよね。出たっていうより、創作しようとしてましたよね。
でも、筋というか背骨が元々しっかりしている作品に出ると、物凄い力を発揮しますね。 不思議な人だ。 本作がその典型だと思う。
ちょっと現実ではあり得ない設定に振り子をグググッと思い切って振ることによって、かえって物事の本質が浮き彫りになるっていう、映画特有の魔法がそこにはあって、とっても好感が持てる作品です。 親子の絆であったり、主義主張をぶつけ合って前向きに議論する民主主義の尊さであったり、あるいはそこで信念を貫く勇気であったり、大きな理想を具現化するために人は、その手前でどこまで妥協すれば良いのか?とかね。 なにより、作品中でも触れられてますが、「1票の重み」が再認識させられますね。
宗教や文化、育った環境によって物事の捉え方は異なりますが、世の中、人生が不平等なのは動かしがたい事実ですね。 そんな中で与えられた環境とか、才能とか、チャンスとか、アメリカ人的に言うと”天から与えられた物”についても、割りと明るく考えさせられる、そんな映画でもあります。
映画館で観る必要は無いかもしれないけど、秀作です。
Tags: 1票の重み, swing vote, 大統領, 浮動票, 選挙
「マンマ・ミーア!」観ました。 Ooooops!
醜悪なドタバタ劇
ハッキリ言ってお勧めしません。 少なくとも、大金払って映画館で観る必要はありません。 後半になるに従って加速度的にその傾向が強まる醜悪なドタバタ劇に、正直ウンザリすると思います。
俺様自身があまりミュージカルが好きでないという点を差し引いて考えても駄作だと思います。 製作総指揮にトム・ハンクスが名を連ねている意味は何なんだ?
映画というのは、個人的には 「映画は現実より奇なり」 という点を如何にリアルに描けるか?という逆説的勝負で真価が問われるアートであり、そこのポイントにおいて脚本家や監督、あるいは出演者の腕を競い合うものと考えています。
誰かに恋をした時に、思わず踊りだしたくなるような気持ち、歌い出したくなるような気持ち、分かります。 悲しい思いをした時、辛い思いをした時、切ないメロディーに身を委ねたくなる気持ち、解ります。 自分や誰かを鼓舞したい時、ビートの効いたナンバーでシャウトしたくなる気持ち、判ります。 だから、それらをスクリーンを通して表現しようとした時、台詞を踊りとメロディーに乗せるという演出が、かえってその人々の心情を”リアル”に伝えるであろうという表現手法自体は否定しません。(つまり、ミュージカルだって立派なリアリティ演出手法だってこと)
でも、この映画のクオリティは低い。
「母子家庭で育った結婚間近の20歳前後の女性が、自分の父親は誰なのか?という自分のルーツを探る心の旅を思いついた時、その候補者が3人いた」というあらすじから俺様が想起するのは、秀作「スリーメン・アンド・ベイビー」、「スリーメン・アンド・リトル・レイディー」の20年後、15年後という後日譚である。同じ感想を抱いた方も多いんじゃないかな? あの2作の成功は、3人の男性(パパ候補)のキャラクターを丁寧な演出で描き上げたことに立脚しているんじゃないかな?だからドタバタさに裏付けが生まれ、観るものに”実感”という共感を生んだんだと思う。
でも本作では、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルドという、(個人的に思うに)個性派実力者を3人も揃えながら、3人のキャラやルーツ及びバックボーンを示すヒントは、似合わないカツラを被った古い思い出写真っていうだけじゃ、何ともエッジが立ちませんよね。 特にステラン・スカルスガルドの扱いが残念でしたね。 「グッドウィル・ハンティング」で、虚栄の名誉など自分の人生を豊かにするためには何の役にも立たないということを薄々知りながら、どうしてもスノビッシュな態度を取り続けてしまい、ロビン・ウィリアムズ扮する旧友の自然体先生と反目しあう演技なんて、おおおお!って感じで、あの映画のリアリティを数段高めてましたよね。
本作、マンマ・ミーア!にはそういう丁寧な掘り下げるような演出がなくて、つまらないです。 誇張じゃなくて、観てて最後吐き気がしました(ごめんなさい)。
Tags: ミュージカル, リアリティ, 演出