[青春、10代、一所懸命についての考察(その1)]

番記者:あわわっち

2010年8月20日(金曜日) | カテゴリ: 生活

アラフォー親父のあわわっちは、
青春ってもしかして一言で言うなら、
 一所懸命になれる
ってことなのかな、なんて最近感じてます。

今日から4回に分けて、そんな雑感と今後に向けての考察を書きたいと思います。

犠牲にしてきたモノ

もう(早くも)約1ヶ月前の出来事になってしまうのだけど、今年のツール・ド・フランスが幕を閉じましたね。
2年連続3度目の総合優勝を飾ったアルベルト・コンタドール選手が、優勝を事実上決定させた第19ステージ終了直後のインタビューで述べた言葉が、俺様としては個人的にとても興味深かったです。

馴染みのない方が多いと思いますが、ツール・ド・フランスをはじめ、サイクル・ロードレースには不文律の掟というのがたくさんあって、その最たる例として、ツール・ド・フランスの最終ステージ、すなわち毎年恒例のパリ・シャンゼリゼへの凱旋レースが行われる最後の日のレースは、総合順位争いは行わないというのものがある。だから、最終日前日のステージまでの結果が、原則的に総合成績を決定づけることになります。

その件の前日レースであった第19ステージが終わり、2位に39秒差で自身3度目となる総合優勝を手中に収めたことを確認し、思わず男泣きに泣いたスペイン人のコンタドール。
随分と長い時間無言のまま両手で顔を覆い涙を流していた、そしてチーム関係者と抱擁。

その後インタビューに応じる。

残念ながらスペイン語は分からないのだが、その内容について知りうる限りの俺様の理解を述べると、
 「今年のレースは、ここまで随分と大変だったけれども、優勝できて本当に嬉しい。これまでに犠牲にしてきたモノのことを考えると、思わずこみ上げてくるものがあった。」
と応えたのだ。

今年のツールには、いわくが色々とあって、個人的にアンチ・コンタドールの立場であった俺様であるが、この”犠牲にしてきたモノ”という言葉には、ピピピと反応してしまった。

3週間に亘って合計90時間以上自転車をこいできたにも関わらず、1位のコンタドールと2位のシュレックの差はたったの39秒。それ程の激戦だった今年のツール。体脂肪率は、参加選手が皆5%前後という驚異のアスリート集団の中で、3度頂点を極めたのであるから、コンタドールがこの競技に心血を注いでいるであろうことは想像に難くない。

世の中で「選択と集中」という言葉が至る所で使われるようになって久しい。選択された、脚光を浴びるモノは良いとして、では、その選択の対象から漏れたモノはどうなるのだろうか?

有り体に言えば、切り捨てられる訳だ、すなわち、これぞ犠牲になるモノである。

コンタドールとて、スペインの若者の一人であることには変わりない。でも、プロフェッショナル・サイクル・ロードレーサーとして好成績を収めるために、収め続けるために、自身の興味、欲望、周囲のしがらみを切り捨てて競技に集中する生活を送っているんではなかろうか?

友達と飲みにだって行きたいだろうし、朝まで踊り明かしたい日もあるだろうし、クーラーの効いた家でゴロゴロしながらTVを観てたい日もあるかもしれない。彼女には「自転車と私とどっちが大事なの?」なんて責められているかも知れないし、お世話になった人に不義理をせねばならないことも多く、それを気に病んでるかも知れない。

みんなみんなそういった、競技をするという観点ではともすると雑音になり得る全てのモノを切り捨てて、後ろ髪を引かれる想いを断ち切って、競技生活にどっぷりと浸かり、節制に節制を重ねる精進の上に結果を積み上げているのではなかろうか。

まさに、一つのことに命を懸ける
 一所懸命
である。

もともと農耕民族であり、封建社会においては報償として土地を付与するという文化を築いてきた日本で生まれた言葉ではあるのだが、スペイン人のコンタドールの生き様として、あるいは世界中の多くのトップアスリートの生活を描写する言葉として、この一所懸命という言葉ほど、ピタリと当てはまる表現はないなと思った。

一所懸命。

彼がひとしきり涙を流した後に発したという”犠牲にしてきたモノ”という言葉を聞いた時、こんな光景、こんな世界観、こんな葛藤が俺様の頭に浮かんだ。

つづく。

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