容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

2009年3月20日(金曜日) | | コメントはまだありません

東野圭吾作、「容疑者Xの献身」を読みました。

面白かったです。
あまりの面白さに、立て続けに2回読みました。

先月ウチの会社でオフィスレイアウトの大々的な見直しが行われ、各部署が順次引越し(我々の部署は6Fから7Fに移動)をしたのですが、俺様とロッカーが隣り合わせだった親友のジョージ・クーニーが荷物を整理している際に、この本面白いよ、あげると文庫本をくれました。
 「シリーズ物で、他のはつまらないけど、これは面白い」
とのこと。
小説の趣味は割りと合うクーニーと俺様なので、正直全然知らない話だったけど、まあ暇つぶしに読んでみるかと思い読み始めたら、初っ端から無駄の無い描写で、あっという間に引き込まれてしまいました。

後で色々調べたら第134回直木賞受賞作なんですってね。
ミステリ作品が直木賞を受賞した実績って、過去にどれぐらいあるんでしょうか?

決して殺人を肯定する訳ではないけど、読んで、感動して、グアングアン泣いてしまいました(2回とも)。

この作品、当初発表された時は、
 「容疑者X」
という題だったらしいですね。
後に何かのタイミングで「容疑者Xの献身」に改題されたとか。

献身、contribution。
誰かが誰かの為に、あるいは何かの為に、身を粉にして、あるいは身を挺して働く。
それは身の安全を守るという物理的な目的の為かも知れないし、名誉を守る、誇りを賭けるという信義上の目的の為かも知れない。
あるいは、単に愛のためかもしれない。
でも、一番人の心を打つ行為、状態かも知れませんね、献身。
叙事詩のようで叙情詩のような本作が、多くの読者に支持されている所以でしょうか。

また、
この本が本格ミステリーか否かの議論が世の中にある(あった)らしいですね。
「本格ミステリベスト10」に選ばれるに相応しいか否か?がその争点と理解していますが、実に下らないですね。
だって、それって、本やコンテンツ、出版に携わる提供側のロジックですよね。
消費する我々としては、本格かどうかなんてどうでも良くて、面白ければ読むし、つまらなければ本格だろうが、元祖だろうが、初代だろうが手に取らない。
勝てば官軍、負ければ賊軍。
手段を目的化せず、面白い作品を作ってくれれば、それで良いです。

最後に、
この本の面白さは、読んでみれば納得いただけると思うし、基本的に読まれる方のご判断にお任せしたいが、個人的に秀逸だなと思うのは、”本の薄さ”です。つまり、”話の短さ”。
これだけの題材を描こうと思ったら、普通上・下の二巻になっちゃうんじゃないかな?
この長さに収めているところに、作者の無駄の無い描写力と構成能力が現れているのでは?というのが個人的な見解です。

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