最上級

英語ってロジカル(汗)

2008年12月22日(月曜日) | 仕事, 生活 | コメントはまだありません

英語ってロジカル。
つまり、論理的だなぁと、最近つくづく思います。
仕組みと言うか、根底にある発想と言うか、すごく論理的に物事を考察できるような機能が元々組み込まれているように思えます。
少なくとも日本語にこういう発想ってないようなぁと感じることがしばしば。

仕事で英語を使われる方も、そうでない方も、多かれ少なかれ英語を使わないと生きていけない時代ですね。
学生の頃、初めてWindows OS で”デバイス”って言葉を耳にした時、辞書で引いても意味がピーンと来なくて苦心したのを覚えています。”デバイス・マネージャ”って何だよ!ってね。

何でこんなことを思ったのかのキッカケは、大した話じゃないんですが(←じゃー、するなよ?)、
アメリカにBon Jovi ってロックバンドがいるでしょ?
音楽史上死ぬほどレコードを売ったアーティストの1つなので、それ程ロックがお好きじゃない方も、その名を耳にしたことがあるって方は多いんじゃないかな?

でね、このBon Jovi に
 Just Older
って曲があるんですが、サビの部分が以下のような歌詞なんです。

I like the bed I’m sleeping in. It’s just like me, it’s broken in. It’s not old — just older …

この歌詞を読み解く時の背景として押さえておいていただきたい点として、この曲は2000年に発表されたCRUSH というアルバムに収められているというのがあります。
Bon Jovi は確か1984年デビューなので、当時で既にキャリア16年のベテランとなります。
この曲を作詞したと思しきリーダ、Jon Bon Jovi 自身が40歳ちょっと手前の時期です。

その上でこれを俺様が敢えて日本語に訳すとすると、

俺が今使ってるベッドがお気に入り。まるで俺自身のようにちょっと痛んでる、決して古いって訳じゃないんだ。ちょっと古目なだけだよ。

とでもなりましょうか。
 「幾らでも無茶が効くって訳じゃないけどさ、まだまだ俺だって行けるよ!」
っていう、良い意味でちょっと肩の力が抜けたパワーみたいなものが伝わってきます。

中学生の時、英語の授業で比較級/最上級って習ったでしょ?
例えば、
 big bigger biggest
 good better best
ってやつ。
そして、その意味はそれぞれ
 デカイ よりデカイ 一番デカイ
 良い もっと良い 一番良い
と習ったはずです。

つまり、そこにはまるで神聖で不可侵なる明確な序列が存在していて、
大きさという観点で、
 big < bigger < biggest
良さの観点で、
 good < better < best
というステレオタイプ的な不等号があるようなニュアンスを植えつけられた筈です。

で、この官僚主義的な不等号を先程の歌詞に適用し、お伝えしたいことを強調するためにバイアスを掛けると、

40歳手前の俺が今使ってるベッドがお気に入り。まるで俺自身のように痛んでる、古いなんてもんじゃない。もっとより古いんだよ。

となってしまいます。

これってコンテキストを鑑みたら、明らかな誤訳ですよね?

何でこんなことが起きるのかなぁと考察すると、Jon Bon Jovi の英語がおかしいか、日本語訳がおかしいかのどちらかですね。
答えは当然日本語訳がおかしいわけですが、どうしてこういうことが起こるのか?
それは至って簡単で、我々が刷り込まれた(と、少なくとも俺様が思っている)先程の不等号に関する理解、解釈がそもそも間違っているのです。

つまり、bigger は常に「より大きい」と解釈するんじゃなくて、あくまでも限定された範囲内で物と物の大きさを比較した際に、その中でより大きいのはどっちなのか?と論理的に述べている形容詞なんです。
爆笑問題の田中とナインティーナインの岡村の身長を比較した際に、岡村さんの方が”taller / より背が高い”ですね。となります。

先程のベッドの例も、”そりゃー新品と比較されたらolder って言わざるを得ないけど、まだまだold って言い切られちゃう程じゃないぜ!”ってなニュアンスになると思います。

最上級についても推して知るべしで、”このグループの中で論じるならこれが biggest だよ”と言ってるだけで、言うなれば最大ではなくて極大(局所限定の最大)なんですよね。tallest と聞いてもアンドレ・ザ・ジャイアントをいたずらに想起してはいけない。

例示が長くなりましたが、
この例から、英語にはそもそも何かの状態を評価したい時に、絶対的な性質を論じる場合と、何かと何かを比較して論じる場合とを意識する機構が組み込まれていることが分かります。どの範囲での記述か?っていうことを考慮する機能が組み込まれているんですね。それを明示的に意識する必要がある場合用が比較級であり最上級なんじゃないかな。
そして、そんな事を気にする必要がないようなコンセンサスが形成されている際には、絶対値として良いとか古いとか言い切っちゃうのが原級って奴ですね。
 Ferrarri is not cheaper than Toyota.
って英文は、文法的には正しいけど、英語としては間違っているとベルリッツの先生が言ってました。
ここまでの話の流れから言うと、
 Ferrarri is expensive. No question about that.
って感じでOK と。

日本語には、そんな範囲を限定して論じるなんて機能がそもそもNative には備わって無かったので、明治時代頃英文学者か何かが、”より”とか”もっとも”とかっていう修飾語を補助的な受け皿にして、この発想を輸入したんでしょうね。でも、根底にあるロジックまでは正しく輸入できなかった。ってことなんでしょうか?俺様はそんな風に推察してます。

そんな訳で、とってもロジカルな英語を生み出した、ドライなアングロ・サクソン系の人たちが定めた戦略を日本市場で実現するという役割を担って、日々仕事してるわけですよ、あわわっちは。
結局のところ大局の中ではチッポケなもんですが。
以上、結局のオチは、とほほ…って話でした。

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